Google+YouTube見解と憶測

2006年を振り返ったとき、ブログスフィアを騒がせたニュースはなんと言ってもGoogleYouTube買収劇ということになることでしょう。

▼詳しくは「グーグル、ユーチューブを16億5000万ドルで買収」(CNET JAPAN、10月10日)

 Googleが米国時間10月9日、ビデオ共有サイトYouTubeを16億5000万ドルで買収すると発表した。

ちなみに日本円で約1,900億円。高いのか安いのか全く感覚が麻痺するような金額。

更に同じエントリーより引用、Google側、YouTube側の思惑。

 Google最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏は買収発表後の電話会議で、「これは、ビデオをユーザーのオンラインエクスペリエンスの中心的な存在にしていくためにGoogleが多数実施している投資の1つである。市場を観察したところ、ビデオを介したソーシャルネットワーキングの世界には明確な勝者がいることが分かった。こうして YouTubeとの交渉が始まったわけである」と語った。

ちなみにGoogle VideoYouTube、当面は別の看板とサービスで継続して行くそう。

 YouTubeの共同創業者のChad Hurley氏とSteve Chen氏は、サイトの拡張を進める上でGoogleの豊富な資金力と広告分野の人脈を活用できることを、買収されることのメリットに挙げている。同社の最高技術責任者(CTO)も務めるChen氏は、「これで、サービスを次のレベルへと展開するためのリソースが手に入った」と述べる。

YouTubeはサービス管理費が莫大らしく、いつも資金難だったとうわさされていましたが、Googleの膨大なシステムとマネーで解決。逼迫されるものからも開放され、心静かにサービスが行える、そんなニュアンスがなんとなーく伝わるコメントですね。

ウェブ進化論」で著名な梅田望夫氏はGoogleYouTubeを、そして梅田さんから見て大人の企業になったGoogle経営判断について絶賛。
[コラム] GoogleがYouTube買収!!! 圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたのだと評価する」(My Life Between Silicon Valley and Japan、10月10日)より引用、

前にも触れたが、2006年のGoogleにとってのサプライズ(あるいはネット業界全体のサプライズ)は、YouTubeだけであった。むろん16億5,000万ドルは小さいカネではないが、業績好調ゆえ株価も高騰するGoogleにとってはハシタガネである。この買収は、圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたものと、Googleを高く評価すべきだろう。

この買収ニュースを聞き反射神経的に感じたのは、「こんなものゼロから作れば俺たちの方がいいものが作れる」という「天才的技術者の発想」より遥かに上位のところで、Googleがきちんと「正しい経営判断」を下す会社になったんだなぁ、ということである。

Googleがさらに恐ろしい会社に変貌を遂げた瞬間と言えるのではないだろうか。

更にアルファブロガー・コグレさんは「Google、YouTubeを約2,000億円で買収!」(ネタフル、10月10日)より、

将来的に「Google Video」との関係がどうなるのか分かりませんが、アマチュアがより手軽・気軽に動画をアップできるメディアとして認知されれば、ニュース性のある一次情報的な動画も増えていくことでしょう。少額決済で送金できるようになって、それで生計を成り立たせる「NNNコグレ」みたいな人も出てくるかもしれません。あ、ちなみにNNNは"Netafull News Network"の略です。

Googleの強みであるニッチ同士のマッチングによって、動画によって知りたい情報、特にマニアックな事象に関わるニュースコンテンツなどはマッチング精度が向上すればするほど、一般化される可能性を秘めていますね。
あ、あと「NNNコグレ」はぜひ実現して頂きたいな、と。

ということで、以下持論です。
YouTube著作権侵害の温床と言われてました。少なくともコンテンツホルダーにとっては。でも今回の買収劇は当然YouTube著作権見地から見て、合法化したビジネスとしてYouTubeを運用できる見込みが立ったからGoogleも買収したハズ。
YouTubeがUPLOADされる動画が著作物かどうか判別するシステムを構築。その点については当ブログ「YouTubeがビデオ・モンスターへ」というエントリーで述べています。)
でも合法化したらYouTubeが現在のトラフィック量は維持できるのか激しく疑問。
なんとなーくNapsterの道筋をたどりそうな気がしますが。。。

現在ブログスフィアで話題沸騰大噴火しているGoogleYouTube買収劇。今年一番の話題でしょう。

Stop