Amazon.com出荷代行サービス

CNETJAPAN9月27日のエントリー「アマゾン、販売パートナー向け出荷代行サービスを開始」より、

 Amazon.comは米国時間9月20日、新サービス「Fulfillment by Amazon」を発表し、同社販売パートナーは送料無料で商品を販売できるようになると述べた。 「Amazon Services」を利用しているサードパーティー企業はFulfillment by
Amazonに参加することで、自社商品が送料無料サービス「Amazon Prime」や「Free Super Saver
Shipping」の対象となっていることを示すアイコンを表示できるようになる。同プログラムは現在ベータ版となっている。

Googleが情報=無形物の世界的プラットフォームなら、Amazonはモノ=有形物の世界的プラットフォーム化していますね。

ちなみに「Amazon Prime」はカスタマーが年間79ドルをAmazon.comに支払うことで、何をいくら購入しても北米地域なら無料で商品発送を受けることができるサービス。また「Free Super Saver
Shipping」は25ドル以上の購入で送料無料になるサービス。後者はAmazon.co.jpで言う「お買い上げ¥1,500以上で送料無料」サービスですね。

Fulfillment by
Amazonに参加すると、「Amazon Prime」や「Free Super Saver
Shipping」の対象であることをユーザーに主張できることを参加企業がメリットにでき、それをビジネスにするというのははまさしくプラットフォームだからできるサービス。

ちなみにZERO BASEという企業のブログに、今回の「Fulfillment by Amazon」に関して、「Amazonのドロップ・シッピング」という標題で論ぜられています。

これも一種の「ドロップ・シッピング」ですが、そう書かれていないので気づかれないかもしれません。念のため紹介。
(中略)
「ドロップ・シッピング」の本質は「委託」。

「委託/受託」「アウトソーシング/インソーシング」という、「分業」の概念が「ドロップ・シッピング」です。辞書にも載っている"drop-ship"の意味は「直送」です。
「ドロップ・シッピング」のビジネス的な意味を考えると、「水平分業」を活かした「選択と集中」という考え方に集約される。
自社機能の一部を社外に「委託」する企業がある。一方で、それを「受託」する企業があるからこそ成り立つ。こういう「水平分業」の構造の中で、「どこを自社でやるか」「どこは外部に委託するか」というのが事業戦略の「選択と集中」です。
上記のAmazon/アマゾンのサービスは、「出版社・メーカー」にとっては、アマゾンに対する在庫管理・集客・販売・発送業務の委託(アウトソーシング)。逆に、アマゾンにとっては、それら業務の受託(インソーシング)。

確かにドロップシッピングの亜流かもしれませんね。

今回引用をさせて頂いているZERO BASEさんのブログの中でも、ドロップシッピングという言葉が一人歩きし続けていて、明確な定義付けがなされていない、だから「Fulfillment by Amazon」も一種のドロップシッピングかもしれないと書かれていますが、僕もまさしくその通りだと思います。

・・・とそろそろ話しが脱線しそうです。
ドロップシッピングについてはまた別の機会に論じるとしましょう。

今回のようなサービスをリリースするということは参加企業の見込みがあるということ。このまま進むとAmazon.comのECプラットフォーム化によるモノ、人、情報、物流の集中により、EC業界ではその地位は揺るぎそうもなさそう。