孤高の“吟遊詩人”NITIN SAWHNEY

まさに現代の“吟遊詩人”NITIN SAWHNEY(ニティン・ソーニー)。


世界一スキなクリエイターです。

▼特に『BEYOND SKIN』は名盤。今も月間に最低一度は聞いています。

Beyond Skin Beyond Skin
Nitin Sawhney

曲名リスト
1. Broken Skin
2. Letting Go
3. Homelands
4. Pilgrim
5. Tides
6. Nadia
7. Immigrant
8. Serpents
9. Anthem Without Nation
10. Nostalgia
11. Conference
12. Beyond Skin

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彼の音楽は、メロディラインなども去ることながら、とにかく音がキレイ。美しい。それでいて、オーガニックさも感じるのが特徴。

僕が敬愛してやまない、Nitin Sawhneyについて今日はそのプロフィールに迫ってみます。

両親がインドからイギリスに移住、イギリスで産まれる。

肌の色の違いから様々な葛藤と戦いながら多感な時代を過ごす。

大学時代にはその同級生とコメディアンコンビ“ザ・シークレット・エイジアンズ”を結成、同時に脚本家としても才能を発揮するなど、多才な部分を持ち合わせていた。

やがて、ジェイムズ・テイラー率いるJTQとの出会い、ツアーメンバーをしたことが彼がアーティストを志す転機となる。音楽に表現の場を求めた。

そして自主制作の1stアルバムがイギリスのOUTCASTEレーベルの目に止まり、OUTCASTから3枚のアルバムをリリース。特に99年にリリースした『BEYOND SKIN』(直訳:人種の超越)は繊細なメロディ、躍動感あるDRUM'N'BASSのリズムの裏にある核兵器と母国・インドに対する強い反抗のメッセージがヨーロッパ中で話題を博し、様々な賞を獲得。

その後、メジャーレーベル・V2recordsと契約、今までに3枚のアルバムをリリースしている。

というのが略歴。

常に時代をリードする先鋭的な音楽性の高さはもちろん、そのメッセージに全てが刻まれています。特に『BEYOND SKIN』には、核兵器への強い嫌悪と同時に故郷・インドに対する警告とも受け取れるメッセージに共感を覚えました。

特に『BEYOND SKIN』の冒頭にあるこのメッセージ。

I believe in Hindu philosophy
I am not religions
I am a pacifist
I am a British Asian

My identity and my history are
defined only by myself - beyond
politics,biyond nationality,
biyond religion and beyond skin.
(対訳)
私はヒンズー哲学を信仰する。
私の信仰心は薄く
私は平和主義
私は英国系アジア人。

アイデンティティーと生い立ちは
己によってのみ明示される ― それは政治、
国家、宗教、肌の色をも超越する。


Nitin Sawhney 1999

まさにその通りだと思います。

このメッセージ・・・。彼は本当に現代の吟遊詩人ですね。