In search of the lost riddim

レゲエを語る上でスカは外せません。

60年代初頭にジャマイカで生まれた「スカ」。本国では時代の変遷と共に67年頃からロックステディに進化し、「スカ」は故郷を離れる。それがUKのカルチャーとミックスされた「2TONE」であり、パンクと融合した「スカ・コア」。いずれも世界中でその軽快かつコミカルなリズムが受け入れられ、日本を含め広がったのが80〜90年代。SKA FLAMES東京スカパラダイスオーケストラに代表される先駆者は90年代から存在はしていたものの、60年代スカをリスペクトし、そのスカを日本で体現した「オーセンティック・スカ」が一つのシーンを作り上げた(と言ってももはや過言ではないと思います)のが2000年頃から。DeterminationsCOOL WISE MENSilver SonicsMiceteethなど、もはや枚挙に暇がないほど「オーセンティック・スカ」は先人たちが作り上げた偉大な音楽「スカ」を演奏し、オーディエンスの共感を得ています。

話は戻りますが、スカの起源は 60年代前半にClue J and His Blues Blastersがジャム中に作り上げたと言われています。そのメンバーには当時ジミヘンと比肩された(らしい。少なくともジャマイカでは)ほどのギタリスト:Ernest Ranglin(アーネスト・ラングリン)も在籍。

そんなErnest Ranglinの98年リリースアルバムが「In search of the lost riddim」。

In Search of the Lost Riddim In Search of the Lost Riddim
Ernest Ranglin

曲名リスト
1. D'Accord Dakar
2. Up on the Downstroke
3. Minuit
4. Ala Walee
5. Cherie
6. Haayo
7. Anna
8. Nuh True
9. Wouly
10. Pili Pili
11. Midagny

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アフリカはセネガルのミュージシャンと作り上げたこのアルバムには、アフロリズムが満載(注:スカやレゲエは収録されていません)。心地よいギターを奏でるErnest Ranglinの表情が穏やかに脳裏へ浮かんだりします(もちろん、Ernest Ranglinご本人にはお会いしたことがありませんが)。

Ernest Ranglinのギターって、どの曲を聴いても心地よいんですが、このアルバムは格別ですね。タイトル「In search of the lost riddim」に敢えて邦題を付けるとすると、「失われたリズムの探求」。自らのルーツへの探求がまさにこのアルバムへ凝縮されています。

夕暮れ前に聞く、Favorite Diskの一枚です。