伊坂幸太郎「砂漠」読了
伊坂さんの作品は、文庫化さえされれば必ずゲットして読みます。
そしていつのまにやら「砂漠」が文庫化されてましたので、一気に読みました。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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舞台はやっぱり仙台。
主な登場人物は主人公含め同級生の5人。
その5人のうちの一人、西嶋が起こす騒動や言動、そして行動。
「砂漠に雪を降らせる」彼の行動力、自らを鳥が空から俯瞰してモノゴトを判断する鳥瞰主義者の北村。そして作品の中で最も大きな不幸が起きるものの、仲間に励まされ、そしてどんどん強くなる鳥井、不思議な力を持つ南、冷徹な印象がありつつも、しっかりとした自分を持ち、持ち続ける東堂。
この5人で起こした騒動、そして奇跡、そして成長。
こんなインパクトのある仲間は身の回りにいなかったけど、それでも彼らが感じ、思っていることは自らの大学時代に重ねることもできました。
そして・・・
大学を卒業後に社会という砂漠が待っている、そんな明確なことばとして感じることはできなかったけど、社会は厳しいと聴いていた以上に、自分にとっても厳しく、そして不安なことばかりでした。
でも文中にあった「頭をかきむしりながら生きていくもの」というコトバには救われました。
ああ、誰もが迷い、悩み、苦しいと思いながら、この社会という砂漠を生きているんだな、と。
懐かしい気持ち、爽やかな気持ち、そして勇気づけられた、伊坂幸太郎さんの「砂漠」。素晴らしい作品でした。