バタフライ・エフェクト3
TSUTAYAの名作コーナーにだいたいある「バタフライ・エフェクト」。
OASISの「STOP CRYING YOUR HEART OUT」が流れる中、とてもせつないエンディングが大好きで、DVDを買って1年に1回は観たりする、僕にとっての“無人島映画”。
その最新版「バタフライ・エフェクト3」がレンタルに出てたのでチェック。
バタフライ・エフェクト3 / 最後の選択 無修正版 [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
その前に、「バタフライ・エフェクト2」は確か3年前ぐらいに観たが、これがクソムービーで。
名作の続編は大体ダメなワケで、「2」があれだけダメだったんなら「3」は「2」以上に駄作じゃないかな、と思いつつ観たが、「1」には及ばないものの、「2」は遥かに凌ぐ内容でなんだか安心。
※以下ネタばれ注意
以下あらすじ。
主人公はもちろん過去に戻る能力を持っていて、脳に危険があることも知っていて、それでも心の病を持つ最愛の妹のために、私立探偵として過去に戻り、犯人の顔を見て警察から稼ぎを得ていた。
ある日、昔の彼女の姉がやってくる。
彼女曰く、「妹を殺害した浮気相手の死刑執行日が近づいていて、再審請求を行っている。彼は犯人ではない。その証拠に、妹の日記には浮気相手を愛していて、主人公に悪いことをしていることが書いてある。」(=ひょっとして主人公が犯人では?)とのこと。
真相を知りたくなった彼は、妹の忠告を聴かずに過去(事件現場)へ戻る。
すると、既に元恋人は殺害されており、なんと姉も殺害されていた。
現代に戻ると当然姉は死んだことになっているが、なんと殺人鬼による猟奇事件のひとつとして、5人以上の女性が殺害されている。
以降、その被害者の元(=過去)へ行くと、ちょっとずつ現代が変わり。。。
彼の能力を知る数少ない理解者である教授も行方不明になり、とうとう主人公が犯人として捕まる。
拘束された後、以前協力していた警察の刑事の過去を言い当て、刑事の協力もあり、教授が死んだとおぼしき過去へ戻る。
するとリンチされた教授がつながれている。
助けを呼ぼうと廃工場を駆けると罠が。罠で足を怪我していると、なんと目の前に殺人鬼が。
絶体絶命と思いきや、なんと。。。
その覆面の下には妹の姿が。。。
主人公が過去へ戻る度に、嫉妬心の強い妹は彼が恋人になり得る女性を次々に殺害していた。
殺人鬼として。
そこで彼は過去に戻る。
そこは、少年時代の自宅。
本来ならば妹は少年時代に発生した火事で焼け死んでいたところを、主人公が過去へ戻って救出していた(その影響で生きていたはずの両親が亡くなっていた)。
そこで主人公はなんと妹を救出せず、泣く泣く見捨てる。
そして現代へ戻る。
主人公は車の助手席でうたた寝をしていた。
彼に話しかけたのは彼女の姉。
彼女の姉と結婚し、娘をもうけていた。
ここでハッピーエンドかと思いきや。。。
バーベキューパーティーのさなか、娘は持っていた女の子の人形をバーベキューの網に。燃え盛る人形を見つめて、ニヤニヤ。
・・・とそこでエンディング。
で、感想。
「2」よりは確実に面白いし、描写はR15に指定されているだけあって、かなりリアル。グロいシーンもいくつか。その描写が、殺人鬼の印象をかなり際立てている。
ただ、猟奇殺人のサスペンスでしかなく、「バタフライ・エフェクト」から得られる教訓=“過去に戻っても手に入らないものは手に入らない”ということがあまり伝わらない。
それにサブテーマである、“過去を変えると思いもよらない現代が変わっている”というポイントがあまり描かれていなかったように思える。
「1」では過去を変える度に、大切な友人や母が不幸になる。
そして今作では過去を変える度に友人が死ぬ。
“死”こそ究極の変化なのかもしれないが、「1」では“死”より残酷な現代が描かれていたと思うし、だからこそ主人公以外のキャストにも感情を持つことができた。
その点、非常にシンプルにし過ぎて、「3」はスカスカな内容になっているように感じた。
それでも「2」よりは確実に面白い。
でももう「バタフライ・エフェクト4」はないだろうな。。。