音楽業界のあした。

生物は進化の過程で様々な外的要因に影響を受け、形を変え続けたもの、そのまま滅びたものがあるわけだが、音楽業界は変化するか or DIEのターニングポイントにあるのかもしれない。

音楽配信の売上が下がり始めている。

この事実は、意外にあまりニュースになっていないが、音楽業界の人は戦々恐々としている。

日本レコード協会(RIAJ)は24日、2010年第1四半期(1〜3月)における有料音楽配信売上実績を公開した。ダウンロード数は前年同期比95%の1億1,194万回、売上金額は同98%の220億7,400万円となった。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100525_369310.html

なにせ業界の半分以上の人はパッケージの売上を配信が補完してくれると本気で信じていた。結果論からのツッコミで恐縮だが、販売価格が違う以上、補完できっこないよ〜と思っていた。

残り半分の人は補完できなくなる未来が来るから、オールライツで商売ができるように体制を作ったり、契約を見直したり、ハウスプロダクションを立ち上げて、大型新人の仕込みに急いだり。
ただ、オールライツ保持による売上・利益でもCDとDVDパッケージ利益分の補填にはならないのが今の状況。
このまま行くと、あと2年で音楽業界に携わる人は半分ぐらいに。

そうすると、宣伝やら販路やらに情報や商品が行き渡らなくなり、音楽業界全体が縮小して・・・というサイクルを数年繰り返し。

そして落ちるところまで落ちて、ある底辺でリストラが終わる。
残るのは昔のカタログ、大御所、アイドル、インディーズ。
これが今の持論。

そうなってもいいと半分ぐらい思っているが、もう半分ぐらいは本当にその業界構成図でいいのかな?とも思っている。

レコード会社不要論をネットのあらゆる処で散見するが、お金が目的ではなくて、いい音楽を世の中に薦めたい!と思っている優秀なレコード会社社員はたくさんいる。

いいアーティストをいいマネージャーがマネジメントして、いいエンジニアがいいマスタリングをして、いいクリエイターがいいグッズを作って、いいプロモーターがいい宣伝をして、いいセールスが適切な販路に商品を導入して・・・今日のヒット作が生まれている。
これを果たしていい楽曲だけであまねく世の中の人に支持を受けるようなアーティストが大成するのか??と思ってしまう。レコード会社不在で、メシが食えて、次回作に創作意欲が沸くような環境つくりを作ることができるのか疑問に思ってしまう。

途中で話しがそれたが、この業界に危機感があまりに無い人が多くて、毎日非常に疑問を感じる。

この業界にいる以上、君も、もちろん僕もリストラ候補なのだよ。

▼3年前の情報なんて最新じゃないね。

よくわかる音楽業界 (業界の最新常識)

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