ロングテールはEコマースで成立しない

ロングテール提唱者のアンダーソン氏、アマゾンの問題点を指摘 -CNETJapan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20342867,00.htmより。

「世界で一番とされているAmazonでさえ、まだまだテールが伸びる可能性はある。ネットワークからうまく情報を集めてくることで、数字を高められるだろう。オンラインストアで大成功を収めるには、この数字が50%になることを目指すべきだ」

ロングテールの提唱者であるクリス・アンダーソン氏のインタビューがCNETに掲載されていました。

WEB2.0を彩る要素の1つであるロングテール理論は商取引において全く新しい、WEBでしか興りえない現象として着目されましたが、その経済効果に関しての疑問を持ち始めている方もいます。

そして僕もその1人。

先に結論を言ってしまいます。

以下補足。

ロングテールが儲からないことに関しては、

  1. 低ロットによる利益率圧迫(サプライヤー
  2. 販売個数あたりの利益率(ECサイト

というところでしょうか。1点目は述べたままですが、2点目に関して補足します。

今回のアンダーソン氏がAmazonに至らない点としてテール商材が見つけづらい点を指摘していましたが、これは理想論で現実論ではない。



年間数冊しか販売できない書籍の写真素材や詳細な内容を発行元から取り寄せ、UPするという工程をするカロリーがあるのなら、ヘッド部分になる確率の高い新刊に注力するのは当然。益して数千冊のニーズがある書籍ならそちらに注力するでしょう。
もちろん、テール部分に特化して、年間数冊しか売れない書籍で経営が成り立つECサイトがあれば別ですが。

さて、最後に「ロングテールは販促物として有効」という考えについては「品揃え」訴求し、コンビニエンスなイメージを植え付けさせ、リピーター作りを行うという点。非常に重要ですね。

さてまとめ。

ロングテールは福音ではない。本当の意味でロングテールの福音を受けているのはGoogleを始めとしたリスティング広告及び広告出稿元。

リアルなモノを扱う商取引でロングテールによる利益貢献は成立し得ない。