YouTubeがビデオ・モンスターへ

Internet Watch9月19日のエントリー「YouTube、コンテンツの自動認識・報告技術を年内に導入予定」より、
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/19/13325.html

 動画共有サイト最大手の米YouTubeは18日、登録されているコンテンツを自動的に認識し、報告するための技術を2006年末までに導入し、音楽業界や映画業界、テレビ局と協力していく計画であると発表した。

先日、「YouTubeは確信犯」というエントリーを書きましたが、その中で、
絶対的なトラフィックと味方を付けて、違法性を指摘してくる著作権者側に改善させる。言わば革命者になろうとしているのがYouTubeなのではないでしょうか。
と記載しましたが、意外にもYouTubeがシリコン・バレーの会社らしく先進的なテクノロジーで解決し、著作権側に歩み寄る方針を採った模様、と思いきや、ちょっと違うみたいです。

気になるYouTube著作権保護テクノロジーとは、Internet Watchエントリーより引用すると、

 YouTubeが導入しようとしている技術は、あらかじめ登録されたコンテンツがYouTubeのサイトに存在するかどうかを認識するのを助けるためのツール群、登録されたコンテンツがYouTubeの動画の中に含まれていることを認識するためのオーディオ認識技術だ。この技術を核として、コンテンツプロバイダーはそのコンテンツの存在を許可するかどうか、あるいはロイヤリティを徴収するかどうかを決定する権利を持ち、ロイヤリティのためのコンテンツ所在の報告とトラッキングシステムを提供する。

こんなことって本当にできるのでしょうか??テクノロジーはてんでダメな僕ですが、全く想像できない技術。でも、YouTubeの戦略に思わず感服した点はコンテンツ提供側がYouTubeに自社コンテンツを登録して初めて、違法にUPされたそのコンテンツ提供側の動画を探すことが可能になる点。
例えば、YouTubeにキグルミの「たらこ・たらこ・たらこ 」のプロモーション・ビデオが複数のユーザーからYouTubeに複数UPされていた場合、それを探すのに発売元であるビクターがYouTubeに「たらこ・たらこ・たらこ 」の動画を登録して初めて違法にUPされた動画を探すことができる、という仕組み。

YouTubeは動画コンテンツの貯蔵庫になろうとしているわけです。しかもコンテンツ提供元から「YouTubeさん!当社動画コンテンツのご登録をお願いします!」と逆に頭を下げられて。Googleクローラーが世界に点在するWWWを一ページ・一ページGoogleの情報発電所に保管している間に、YouTubeには世界からコンテンツ提供者からの登録要請により、YouTubeは動画コンテンツを受動的に集積する。

Googleは“サーチ・モンスター”と呼ばれていますが、YouTubeは“ビデオ・モンスター”になろうとしています。YouTubeが動画コンテンツのプラット・フォームになったとき、競合する動画サービスは淘汰され、コンテンツ提供元は列を作ってYouTubeに動画コンテンツを提供し続けなければならなくなるでしょう。地殻変動もまもなくですね。