YouTubeは確信犯

ここ最近、日本でもYouTubeが物議をかもし出しています。理由としては、著作権侵害と、日本のユーザーの投稿者数とアクセス数が膨大な点。
Original Confidence7月24日のエントリー「米YouTube、1日当たりの閲覧数1億本超に」より、
 http://www.oricon.co.jp/news/confidence/28986/

 長くても数分程度という自家製ビデオがユーザーからアップロードされ、それらを無料で視聴できるYouTubeは日本でも人気が高く、日本のネットレイ
ティングスでは、日本からのYouTubeの視聴者数が今年5月の時点で月間約410万人に達したとしている。USENが運営するGyaOの5月の視聴者
数が約380万人であり、これを逆転してしまったわけだ。

Gyaoより多いのはスゴイ。英語だらけの海外サイトが日本の動画サービスを超えているというのは、著作権が逆に侵害されているからでしょう。

自分の興味がある動画をDVDプレイヤーなどで簡単に、ストレスなく ―― もし検閲があれば「自分のUPしたい動画は最終的にUPできるのか?」と思うでしょう ―― UPでき、それを共有して評価してもらったりできる。閲覧する側もTV番組や映画など、プロが作った映像(=著作権侵害されている映像)の方が面白いに決まっている。著作権が侵害されているからこそ、YouTubeにはトラフィックが集中する。

これに対して、YouTube著作権侵害を“確信犯的に”黙認している、というのが「ウェブ進化論」で著名な梅田望夫氏の見解。
梅田望夫氏のコラム“シリコンバレーからの手紙”9月16日のエントリー「「確信犯」的な態度を貫く「ユーチューブ」の加速感」より、
 http://book.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u120.html

 ユーザ参加の入り口(投稿時)で検閲のような規制をかけたら、ネット・サービスは絶対に成功しないという確信がまずある。そして、現行の著作権法を厳守していては、ネット上で動画のビッグビジネスは作れるはずがない、と腹をくくってもいる。
(中略)
そういう違法映像を含む巨大な渾沌が生み出す人気をバネに全力疾走し、ネット上の絶対多数を味方につけてしまう。そして「検索・イコール・グーグル」と同じ意味での「ネット上の動画・イコール・ユーチューブ」という「事実上の標準」を確保する。そこまでたどりつけば、広告のビジネスモデルもついてくるだろうし、著作権者に対して某(なにがし)かの新提案も可能だろう。そう読んでいる。

絶対的なトラフィックと味方を付けて、違法性を指摘してくる著作権者側に改善させる。言わば革命者になろうとしているのがYouTubeなのではないでしょうか。

9/19(火)追記:「YouTubeがビデオ・モンスターへ」のエントリーもご参考下さい。