映画「バタフライ・エフェクト」に学んだこと。
「バタフライ・エフェクト」。2005年5月12日から日本でも公開され、公開当時は特に話題にならず、ヒットもしなかった。
でも僕は本当に素晴らしい映画だと思ってます。
去年(2005年)一年間でDVD含め30タイトル(少ない。。。)ぐらい観たけど、間違いなくダントツでナンバーワン!
サスペンスは起承転結が重要で、特に“結”が最も重要なのは言うまでもないと思うけど、この映画の“結”はなんとも言えない、素晴らしいエンディング!せつなすぎ。
ちなみにジェネオンから10月にDVD化され、近くのTSUTAYAでは未だに旧作ランキング20位以内で面出し展開されている。
売り上げランキング: 130
微妙な変化が大きな違いに
まさに、せつないハッピーエンド。心に残ります。
なのに、なんでこの映画、劇場公開中はヒットしなかったのか??
そもそも、この映画と出会えたのは偶然。
たまたま、彼女さんが仕事絡みで試写会の招待状を貰っていてくれて、2005年の3月頃に初めて観ました。
元々サスペンス映画は大好きで、特に「シックス・センス」など、オチがひっくり返るものが好き。また、「ゲーム」の様に起承転結の“転”が何回も大回転する要素もあると尚良し。この2大要素は個人的にサスペンス映画を諮る上での基本的かつ重要な尺度。
そしてこの「バタフライ・エフェクト」はまさにその2大要素を完璧に備えてました。
また映画の中の色々な場面。
児童虐待、精神障害、売春など、現代社会に巣食う様々な問題が主人公と最愛の幼馴染を襲う。このメッセージ性にはサスペンスというジャンルを超越したものがあります。
また主人公が何度も過去に戻る姿を見て、もし自分にこの能力があったら不幸だな、と思いました。
人生は“覆水盆に返らず”だから愉しいし、せつない。
それ以上の内容は観てからのお楽しみということで。
ちなみに、「バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション」DVDの特典映像には違うエンディングが3パターン、そしてあらすじも微妙に違うディレクターズ・カットが収録されたディスクも入ってます。ちょっとディレクターズ・カットのエンディングはシュール過ぎますが。
そして肝心の検証。なぜ劇場公開タイミングでヒットしなかったか??
総括を先に言うと、日本での配給会社が僕が感じた様な“メッセージ性が高いサスペンス”ではなく、“ラブストーリー”をプロモーションの上での軸にしてしまった点だと思います。
?キャッチコピー
「君を救うため、ぼくは何度でも過去に戻る。」
⇒完全にラブストーリーのキャッチ。
「史上最もせつないハッピーエンド」
⇒本当にその通りのオチですが、とてもサスペンスを語る上でのキャッチ
に思えない。
?劇場スポット
やっぱりラブストーリーをメインにし過ぎ。前述のキャッチを前面に出していて、チープなラブストーリーのスポットに観えた。
とにかく、この映画の最大の売りは“メッセージ性が高いサスペンス”。実際にレンタルが開始されて半年の現時点でも好調なのは、サスペンス性が高いことがユーザー同士の間で口コミが行われているから。
本当にいい映画なのに、公開タイミングでのブランディング・ミスで広がらないのは個人的にも悔しい。
とにかくオススメです。まずは観て下さい!